畳の手入れについて

畳の手入れについて

畳の普段のお手入れから、いざという時の対処法まで掲載しております。
ぜひ、毎日のお掃除や気になる箇所のお手入れの参考になさってください。

畳の手入れ

国産天然イ草を材料として作られる良質な純国産畳の寿命は、手入れや使用方法、使用環境にもよりますが、10〜30年といわれています。畳床の表面にはられる畳表は、裏返し、表替え等が可能で目安は一般に3〜5年です。畳床は表面の凹凸が目立つようになったり、ふかふかした感じになったときが替え時とされますが、15〜30年が目安となります。
日常の手入れは、目にそった掃除機掛けと乾拭きが基本です。濡れ雑巾で何度も畳を拭くと、イ草表面の保護膜が剥がれてしまい、畳を劣化させたり、毛羽立たせてしまいます。汚れがひどい場合には、硬くしぼった雑巾掛けの後、乾拭きをして、湿気が残らないようにすることが大切です。また、綿埃などが気になる場合には、昔ながらの方法として、水分を硬くしぼった緑茶の茶殻を畳にまき、埃をまとわせた茶殻を手早く箒で集めて処分する掃除方法もあります。但し、茶殻の水分が十分にしぼれていなかったり、茶殻をまいた後、素早く作業が終了しなかった場合、畳表や畳縁にシミをつけてしまう場合があるので注意しましょう。

畳の手入れ:畳の毎日のお掃除

毎日のお掃除は、ほうきで掃出すか電気掃除機で、畳目に沿って静かにゆっくりと、同じ部分を何度か往復させるだけで十分です。掃除機の場合、ファンでチリや誇りを舞い上げますので、掃除機を手で持ち上げて使用すると良いでしょう。また、天気の良い日は、窓を開けて風を通しましょう。畳を拭くときは畳の目に沿って必ず乾いた雑巾で拭いて下さい。2〜3年経過した畳は、気づかれたときにぬるま湯に少量のお酢(むせない程度)を加え、畳の表面をやさしく拭き上げると、殺菌作用があるだけでなく、イ草につやが戻り、長く綺麗にご利用頂けます。

畳の手入れ:畳表の裏返し

畳表の表面が擦り切れたり、汚れが適切な対処法で処理をしても落ちなくなったり、日焼けが目立つようになったときには畳表を裏返して使用する事が出来ます。通常、新畳を入れてから3〜5年が目安となります。

畳の手入れ:表替え

畳表の裏返し後、再びダメージが目立つようになったときには、畳床はそのまま活かし、畳表のみを新しいものに交換する事ができます。裏返し後、3〜5年が目安となります。

畳の手入れ:畳替え

畳床にダメージがでたときには、畳を丸ごと交換する畳替えを行います。正常な環境で正しい手入れが行われた場合には、およそ10〜30年の耐用年数があります。マンションなど気密性の高い部屋で換気が十分ではなかった場合、過度な湿度によって畳の耐用年数は短縮されます。畳床の傷みが、ひどい場合、そのまま放置すると、建物の構造体にまでダメージを与える場合があります。

畳の手入れ:年2回の【畳干し】※実際にやる人は少ないと思いますが …

畳干しも大切なお手入れです。できれば春と秋の年2回、よく晴れた日に畳を干したいものです。まずは先端のとがったもので、中央にある畳から持ち上げて取り外します。取り外した畳は後で入れ間違いのないよう、どこにあったものか印をつけておきましょう。干すとき畳表を直接日光に当てないよう気をつけて下さい。畳床を日光に向け、よくホコリを叩き出してから4~5時間ほど干します。
※畳を干す場所がない場合、単純に床から畳を浮かして、空き缶などをはさみ、風を通すだけでもOKです。

畳と湿気

畳は直射日光を嫌いますので、日当たりの良いお部屋では、直射日光を防ぐようにしましょう。また、イ草畳表は常に空気循環をおこなっています。過度な湿度が続く状態であればカビの発生する原因となります。天気の良い日は、窓を開けて風を通しましょう。反対に乾燥しすぎた時には、濡れ雑巾などを使わず、霧吹きなどで湿気を与えてください。

カビが生えた時の対処法

新品の畳は、梅雨の時期に必ずカビが生えます。カビが生えたときは、消毒用アルコールを霧吹きで軽く拭き、その後から拭きをし掃除機をかけてください。カビが生えないようにするには、梅雨の時期に除湿機やエアコンを使い湿気が部屋に溜まらないように普段から心がけるようにしてください。

害虫について

畳=ダニと思われている人が多いように思います。ところが、そのダニひとつとっても人に害を与えるダニ、与えないダニがいますし、ダニはほとんどが目で見ることができないのに知らない虫をみてダニと勘違いされているケースが多いように思います。ダニの他にも多種類の虫がおりまして実はその多くが人に害を、与えることはないのです。

虫対策について

1.温度・湿度のコントロール

虫が住みやすい高温多湿の条件をエアコンなどを使いコントロールする。

2.お掃除をよくする。

虫の餌であるフケ、垢、食べクズ、カビ、埃等を取り除く。

3.風通しをよくする。

虫の対処法

・目で見える虫にはバルサン等の噴霧剤やフマキラーなどの殺虫剤

・ダニには熱処理(天日干し、乾燥機)、防ダニシートの使用

住まいのダニ対策について

ダニは世界で6万種、日本では1700種が記録されており、家屋内では100〜150種が検出されています。このうち特に問題になるのは家屋内に生息する3種類、屋外から侵入する2種類、人に寄生する1種類のダニといわれている。家屋内に生息するダニの70%をしめるヤケヒョウダニ、コナヒョウダニ(チリダニ科)は成虫、死虫、糞いずれもアレルギー原因物質の一要素であり、アレルギー性喘息、鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎等の疾患を患う可能性があります。特にこのダニ類の糞は虫体より量が多く、形態は小さく気管に入り易く、アレルゲン活性が高い事から最も注意を要する種類です。またミナミツメダニは人を刺し体液を吸い、鼠に奇生し屋外から侵入するイエダニは人の血を吸います。対策としては、餌となる塵を減らすためのこまめな掃除と、繁殖条件をおさえるための温度、湿度の調整などが大切です。

室内換気、日光干しの有効性

チリダニ科のヤケヒョウダニ、コナヒョウダニやミナミツメダニの繁殖条件は20〜30℃(特に25℃〜28℃)、相対湿度51℃以上です。また、家屋内のダニは暗いところに産卵するため、敷物や寝具、ぬいぐるみ等を好みます。そのため室内の換気を良くし、敷物、寝具、ぬいぐるみ等は風邪や日光にあてる(日焼に注意)などして50%以下の湿度を保つよう心がけたいところです。南北の間仕切りを減らし換気を良くしたり、冬期は室内毎の温度差を少なくして結露を防ぐ等の手段も有効です。また、高湿度の床下の影響を受けないように床材との間には断熱材を入れ、床には極力ものを置かないようにすることが望ましいでしょう。

こまめな掃除の有効性

畳表は仕事率150W以上の紙パック式掃除機で定期的な掃除を行い、ダニ数100〜200匹/㎡以下にすることが望ましく、この数値は定期的に清掃を行っている家屋での平均値です。畳の場合、1回の清掃時間が20秒/㎡以内でも表面の8割以上のダニを除去出来ますが、絨毯の場合には20秒/㎡以上が推奨されます。

掃除前と掃除後 / 畳、絨毯、木製フローリング表面のダニ数比較

表

畳画像

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畳縁が汚れた場合

掃除機の細い吸い口で、ほこりを取ってから歯ブラシや小さめのブラシに、居住用洗剤をつけ手早くやさしくこすります。後は、お湯で固く絞った雑巾で叩くようにして洗剤分を取り、乾いた雑巾で湿気を吸い取ります。さらに、扇風機やドライヤーの冷風ですばやく乾かしてください。

家具の跡がついた場合

タンスや机などの重い家具は、直接畳の上に置かず、下に板などを置くと跡になりにくくなります。もし、跡がついてしまったら、熱いお湯でしぼったタオルをあてて、上からアイロンをかけます。これでかなり戻りますが、その後はかならず、ドライヤーなどの冷風で乾燥しておいてください。

タバコで焼け焦げた場合

軽い焼け焦げは、脱脂綿にオキシドールをつけて、漂白すると目立たなくなります。これでも目立つようでしたら、スチームウールで表面の焦げた部分を軽くこすりとってから、オキシドールで、再度漂白してみましょう。大きい時は、表替えや新畳への入替えが必要です。

ペットの排泄物、灯油などをこぼした場合

この場合は、手早くパウダーや小麦粉などをサッと降りかけ、水分を吸い取らせます。ブラシでその粉を掃き、その後にお酢を落としたお湯で濯いだ雑巾で拭き取ります。多い時は、その後「洗剤液」、「お酢を落としたお湯」で再度拭き取ります。しかし、あまりひどい場合は、表替えや新畳への入替えが必要です。

畳画像

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